さいとうりょうじ Official Website

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2017/9/10 update

夏をあきらめて

何年も何年も 「一ヶ月なにもしないでゲームしていたい」と周囲にこぼしていた男は
今年 とうとうそれを遂行した。

何より 度胸と自信が必要な行為である。今までの僕にはできなかった。
成長したかと言われたらそうではない。
日々研ぎ澄まされるサバイバルにも似た生活様式の中、”なんかもうどうなるかわかんないけどいーやオラいったれー”スキルが高まったためだ。
まともな人には自暴自棄に思えるこの行為は俺にとっても自暴自棄であることにいまだ変わりはなかったのだ。

でもね、もうやらなきゃやらないな、と
文字通り思って
そこからは早かった

タカシの家にPS3を譲り受けに行き、ブックオフで龍が如くシリーズを爆買い
真夏のクーラーの中 一歩も外を出ずに 歌舞伎町に入り浸る
夏っぽいことといえばシリーズ3で行った沖縄くらいだ(桐生一馬が)

3が終わり、見参と呼ばれる宮本武蔵になるDISCを入れたのは夏の終わり
順調に京都を右往左往、二刀流でゴロツキを切った張ったの大騒動

事件は宝蔵院の武術大会の決勝で起きた。棒術の達人たる二代目と戦う直前のアニメーションで。
各地の花火が中止になった大雨の日だったと思う。
この日のことは強く覚えている。
多摩川からなにやら軒並みゲリラ豪雨に中止を発表する中、地元の鶴見川が見事な雷サンダーと強行開催の花火のマリアージュを見せたあの夜だ。

動かない。
行くぞ! といった敵ボスが動かない
こっちも動けない
DISCを入れ直しても、電源を入れ直しても動かない
データファイルをインストールしなおしても動かない

グーグルで 龍が如く フリーズで検索したときに俺は完全にわかった

これはもう動かない。
有名だったのだ。フリーズが。

タクシーから出れなくなる、コンビニで動けなくなる、最強と言われたあの桐生一馬が至る所で身動き取れなくなっていた事実を知った。
いつの時代も人は涙ながらに夏の終わりを知る。

真夏の果実が腐り、涙のキスの余韻と共にガラスのメモリーズが割れていく。
人は涙ながらに夏の終わりを知ってきたのだ。

Youtubeを開き、全クリまでのアニメーションを身始める。
4h57min 総時間はすぐにすぎた。
でも何も内容を覚えられなかった。小次郎が身代わりに殺されようとも、天海に騙されようとも、遥を助けても
おれの涙がスクリーンを見えなくしたから。

波音が響けば雨雲が近づく
二人で思い切り遊ぶはずのオンザビーチ

ダーリン、キャンチューシー?

自分の分身を奈良の山奥に置き去りにしたまま
夏が終わった
ナオコが俺に言ったんだ

「夏を諦めて」