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おかあさんにきいてみないとわからない <長文>

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発売から少し経ちましたが P.O.P 2nd Album が発売されました。
2015年をつぎ込んだ作品となっており多くの人に聞いていただきたいです。
少し僕の口からライナノーツというかご紹介をしたいと思います。
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「おかあさんにきいてみないとわからない」

【収録曲】
01. おかあさんにきいてみないとわからない feat. BIKKE
02. Stand by me feat. 椎名純平
03. The Last Train feat. 馬場智也
04. 平等にWEEKEND feat. Cello a.k.a Massan
05. TOKYO JUNCTION feat. STAMP
06. BEER so good!
07. Like a stone
08. LANCATLGUE
09. 初まりの日 feat. 中塚武
10. Yeah feat. CHAN-MIKA
11. 家
12. ABCの海岸で feat. Victoria&SKM(digda)
13. 路地のピアノ feat. さいとうりょうじ
14. エンドレス・クリスマス feat. 岩崎太整
15. ワンチャンス feat. 臼井ミトン

発売日:2015年12月2日(水)
価格:¥2,000(税抜)
品番:DQC-1508

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★タイトル

まずこの話題のタイトルですが、遡ること
とあるゲリラ豪雨の夜
横浜のghetto鶴見駅にいた僕と馬場が呆然と立ち尽くす所からはじまるんですね。
川崎まで帰るのがしんどかったので鶴見在住の馬場に”馬場くん家まで一緒に行くから車で送ってくれない?”と聞きました。少し間を空けて彼の言った返答が「おかあさんにきいてみないとわからない」だったのです。当時31歳の男性同士の会話です。
周知の事実ではありましたが、この異常事態を前にしてofficialマザコンぶりに非常に腹が立ちまして 絶対にいつかコレをネタにしてやろうと思ったのです。時は経ち今夏、双子とアルバムタイトル会議が行われました。
ポイントは”たのしいことばかりありますように”に通ずる語呂と質感でした。
後にも先にも音楽担当の僕が 言葉 に関して双子に意見を強く推したのはコレだけでした。
僕は 「おかあさんにきいてみないとわからない」 でいきたいと言いました。

★ジャケット

僕この撮影には行ってないんですよ。だから上がってきたjpgのフォルダを開けた時は衝撃でしたね。
こういう写真が100枚位あるわけ。何をチェックしたらいいのかどうか。P.O.Pは各グッズや印刷物等を
仲間の天才デザイナー 永楽 と作っているのですが 今回ばかしはミュージシャン程度のセンスでは理解の出来ないアートなのだと思いました。正直 途中もすごく揉みまして、というかもはやちょっと揉めまして(笑)気持ち悪いかどうかを 2日間くらい本気で話し合いました。でも僕は音楽側で好き勝手やらせてもらっているので、ここはもう永楽のセンスに委ねよう と
任せる。となったんですね。で、出来上がったのがこのCD屋で見つけやすい話題沸騰のジャケット。餅は餅屋 それを痛感したジャケットです。

★曲

01. おかあさんにきいてみないとわからない feat. BIKKE

ご存知BIKKE先輩ですが、今回はもはや本職でもあるナレーション屋として参加。
友情出演のsoupnote megg(馬場のバンド)を相手に繰り広げるこの導入は
コントとして捉える事も多いのですが
何度も聞くと悲哀と社会の本質に迫るようなbluesに聞こえてくるのです。
これがBIKKE先輩のカリスマであり続ける真髄なのかと思います。

02. Stand by me feat. 椎名純平

アルバムを構想した際 ワッチミーに続く OOO meシリーズを作ろうとなり出来た曲。
様々なオマージュを盛り込んだトラックは mary.Jらの90年代黄金期のR&B/ブラコンを意識して作ってます。
トラックは先に出来ていてvocalが決まってなかったのですが、前橋で共演した椎名純平さんのライブを見て
90s R&Bを歌う日本代表イタじゃん!!!! となり恐れ多くもその場でオファー。
直前の麻雀で僕が純平さんからイーペーコー食らいまくって貸しを作ったのが功を奏したか
まさかの二つ返事でok!ここに正統派 R&B の一曲が誕生したわけです。

03. The Last Train feat. 馬場智也

僕が運営に携わっているB.B.streetという横浜のライブハウスがあります。
そこでは毎月 セッションナイトというsessionして遊ぶ日がありまして
昨夏 帰ろうとする馬場に “1曲くらい即興で歌え”と俺とナオキが詰め寄った回がありました。
そこで生まれたのが このキャッチー極まりない腹立たしい サビです。
苦し紛れで歌ったこれを もしやあるかもと思い 忘れないようにメモし
翌日トラックを作って馬場に歌入れさせたのを覚えています。
残念ながらアルバムを代表するリードトラックの一つになってしまいました。

04. 平等にWEEKEND feat. Cello a.k.a Massan

まっさんとは今年本当に仲良くさせてもらって、元々The cubesというビックバンドをやってた時にラップをお願いしたりしてたのですが年始のツチヤナナミのライブを機にP.O.Pもたくさん一緒にやらせてもらって順当当選のゲスト参加となったわけです。面白大臣のハクシュウから投げられたお題の中に ”絶対みんな聞いたことあるメロディのパクリなんだけど全然わかんないくらいカッコ良くするトラック”ってのがあってそれに挑戦したのがこの曲です。
タケルの本場仕込みのグラスパー感あふれるピアノが良すぎて中々気づきませんが、週5を越える頻繁さで国民全員が聞いている曲をテーマにしています。中間部でも週一は聞いている有名なサウンドを使っています。(こっちは当てたら100円あげる)
30男の怠惰な週末遊びを象徴するようなトラックでお気に入りです。
ここだけの話、最初はもっとしっとりjazzyにするつもりだったの
でもラップの兄の第一声が あの有名曲まんまだったので そっちに引っ張られちゃったよジブさん!

05. TOKYO JUNCTION feat. STAMP

海を越えた親友。タイのスーパースターのスタンプ。彼は僕があった人間の中で
最もナイーブで 最も気遣いをして 最も優しい 最も人気のある 男なんだ。
タイのblogを参照してほしいけど、あれだけの男だと知ったのは後のこと。
最初はハクシュウが8bit cafeで知り合った気のいい外国人としか思ってなかったの。
知り合ってすぐ、この曲で使っているアコギの入った自分の曲(最近知ったけど国内では大ヒット曲)のデータを送ってきて
これでhiphopを作ろうぜと、まだ出会ったばかりの僕らが最初に作ったのがこの曲です。
去年の夏は俺もタカシもとにかくアリアナグランデにハマっていてアリアナグランデ至上主義になっていたんです。
EDMのスキルをつかって構築したスタンダードR&Bというジャンルでヒットを飛ばす彼女を崇めた夏に作ったもんだから
この曲がその手法を丸っと使ったのもしょうがないですね。くそかっこいいですコレ。

06. BEER so good!

BEERの曲2つめ!タケルにオスカーピーターソンみたいの何個か送ってーって無茶振りしたら
すんごいのがいくつか送られてきたの。でそれを生ピアノとエレピの音に振り分けてどっちにしよーかなー
って悩んだんだけど、そこでアホな発明をするんですね。
双子のラップの切り替えに合わせて楽器の音色を切り替えてみる
という実験。
イヤフォンでよーく聞くと面白いですよ。
人間業じゃないのでライブどうすんだよ問題の筆頭。

07. Like a stone

僕らが入る前に昔やってた曲らしく今回リメイクしたいという話がありまして。
言われた僕は曲も聞かずに(今回ギター全然ひいてないからギターいっぱい弾く曲にしよう)って決め付けました。
ロバートクレイというブルース業界でも渋い立ち位置の名手がいるのですが、かれは80年代にブルースをポップシーンでやってたので稀な80sサウンドのブルースというのをやってた人なんですが、今回はそれにしようと。
jazzやブルースとhiphopはルーツが同じなので、数え切れないくらいトラックに使われてきましたが
ロバートクレイのスタイルとhiphopは世界を探しても初なのではないかと思っています。

08. LANCATLGUE

1st Albumを作った双子の先輩のやっているランカトルグスタジオというのがありまして
そこに敬意を表した曲です。
HDDに眠っていた美しすぎるトラックというデータを使いました。
このピアノは気に入っています。

09. 初まりの日 feat. 中塚武

冬のシングルに入った中塚さんとのコラボ曲。クリスマスの曲は数あれど正月の曲ってないよね
という双子の発案からうまれた元旦ソング。(ちなみにこの曲も恒例の中塚節により演奏がすさまじくむずい)
テレビ局のみなさん!正月特番にいいSEありますよ!

10. Yeah feat. CHAN-MIKA

これは去年の夏のシングルですね。ミカは僕の横浜の仲間で腐れ縁です。
ずっと一緒にfunkバンドやったりレゲエクイーンになってからもアルバムを作ったり
まぁ地元の友達です。まんま。アッパーでダンスホールなhiphopをイメージして作りました。
これも夏といえばのオマージュが入ってます。ぜひ見つけてください。

11. 家

自分では2014年に書いた曲のなかで一番傑作だと思っているんです。
コード、演奏、音色、mixとか音楽的に考えて。
yeahのB面を、海に行けなかった歌の 家 にするっていうユーモアは双子の真骨頂ですよね。
その辺は本当に毎度脱帽します。夏に聞きたいAORです。AORは最高です。ole borudとかハマってたんで当時。
カンタス村田やうすいしんすけや赤信号渡り隊といった、僕のマブダチが分厚いコーラスを作ってくれています。

12. ABCの海岸で feat. Victoria&SKM(digda)

今年ボコーダーを買ったんですけどもうそれが楽しくて楽しくて。
気づいたら一曲できてましたパターン。ゲストはdigdaなんだけど
彼らは栃木のバンドで悔しいくらいnorahやコリーヌレイみたいなアメリカンでかっこいいバンド。
クラクションをやってる俺の視点からは許さん!としか思えないくらいのバンド。
なので当て付けで、全然ルーツミュージックじゃないハウスをやってもらいました!w
この曲よく褒められます。

13. 路地のピアノ feat. さいとうりょうじ

昨年冬にリリースした配信限定EP “冬空と歌声はきれいなほうがいい”にも収録しましたが
元々は僕のオリジナルソングでそれを聞いた伯周がラップ足してやりたいと言い人目にさらされることとなった
とある日の生活です。
静かな街の小さな部屋の話でベランダから見える目の前のマンションの廊下の柵の影が西日でピアノに見えたよ
というそういう歌です。
レコーディング時に2mixを聞きながらこんな素敵な形に昇華したのなら色々よかったとしようと思いました。
この曲はもう俺のストーリーではなくなったと思います。
見知らぬ誰かのストーリーになりえる普遍性と匿名性を持って。
きっと誰かの嘘や弱音のカサブタを剥がして酸を撫でるような効能があるはずです。

14. エンドレス・クリスマス feat. 岩崎太整

タイセイは歌がうまいのよ。本人は演奏も歌唱も向いてないから作家なんだとか平気でいうんだけど。
稀代の音楽家。
僕は同世代にこの 岩崎太整 と さかいゆう さえいなければ もう少し評価されたはずとずっと藁人形片手にやってきましたが、もうむかつくからタイセイにクリスマスソング歌わせる辱めを与えてやる!!とおもって書きました。
でもいい曲なんだなぁ。
ダニーハサウェイのソウル的クリスマスソングと稲垣潤一の歌謡的クリスマスソングの間の子。
このギターソロはXやLUNASEAに影響を受けてはじめた僕のVisual魂をつぎ込んだセルフツインギターで必聴です。

15. ワンチャンス feat. 臼井ミトン

いつぞやからSNSで知識人たちが絶賛するこの名前が目につくようになって、何者だと思っていた矢先に
俺とタケルのduoと対バンしたんです。この臼井ミトンと。
まぁそりゃピーターバラカンも久保田麻琴もみんな騒ぐわという納得の逸材でぶったまげたんですけど
同席したハクシュウが得意のツッコミでセカンド参加を快諾させ誕生したのがこの曲。
正直見ず知らずの俺らの一曲やろうぜにあそこまでレスポンスよく快諾するのはアホなのではと思うのですが
曲も何もなかったし、もう全曲完成してmixってとこまできてたので、
大急ぎで 工場長 aka 俺 が作曲するわけです。
でもね
臼井ミトンのアメリカンルーツミュージックとヒップホップ
これ両方おれの一番得意な分野でして、一瞬で書き上げたんですけど
他の曲と違ってアレンジの下準備とか時間なかったので
バンドと双子とミトン
この素材に丸投げした部分が多々あったんです。
で、できたのがコレ。

1stが ワッチミーではじまり歌いたいよで終わるように
2ndも スタンドバイミーではじまりワンチャンで終わる

それほどに重要な曲になったと思います。
日本中の人の希望になればいいなという一曲です。

・・・

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全曲書いた!!!!!!

おれはやったぞ!
うぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!

そろそろデニーズのおばさんの目つきが変わってきたから退店します。
長文読んでいただきありがとうございました!
ぜひ おかあさんにきいてみないとわからない
聞いてみてくださいね!